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花の擬人化を扱った創作企画用ブログ
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霧雨璃亜様より小説
ひょうふく



[きんもくせいのかほり]
ちらちらと、ふくの上に山吹色の金木犀が散っていく。
甘い匂いはふくに似合いだとは思うけれど……なぜか無性に、全てを払ってしまいたくなる。
「…ふく」
名前を呼んでも、眠っているふくは起きることは無く、静かに金木犀が積もっていく。

甘い匂い、柔らかな色

暖かな頬を指で撫でると、幸せそうに顔が和らぐ。
と、ほろほろと落ちていた金木犀が一つ、ふくの唇に落ちた。

柔らかそうな唇はほのかに色づき、誘うように薄く開いている。

金木犀を指で取り除き、その柔らかさを実感した途端、思わず、静かにくちづけていた。

柔らかな唇、甘い、甘い、香り。

それが金木犀の香りなのか、ふくの香りなのかはわからなくて、でも、とても優しい香りだと思った。
唇を離し、けれど腕は頭の横に置いたまま、ふくを見る。
唇への刺激でか、小さく震えた睫の次に、綺麗な青玉の瞳。
「…ひょうたんさん…」
ふわりと微笑んだふくの顔は、唇以上に柔らかく、優しい。
しかし、寝ぼけているのは幼い口調ですぐにわかった。
「ふく?」
様子を見ていると、ふくはゆっくりと手を動かし、わしの髪を梳く。
同時にちらちらと落ちた山吹の花に、わしの上にも積もっていたのかと思った。
しかしそれに驚く間もなく、小さくふくが呟く。
「あなたをいろどるのが、わたしだけなら、よかったのに……きんもくせいのはなのほうが……にあってる…」
どこか拗ねたような、けれど寝ぼけたままの声が嬉しくて、少し照れ臭くて、笑う。
「わしには、ふくだけじゃ。ふくだけが、わしの特別なんじゃ」
「…うん…すきです……ひょうたんさんが、すき」
「うむ、わしもじゃ」
「………よかった…」
安心したように笑ったふくは、そのまま再び眠りに落ちる。
ふくが眠り、再び積もりはじめる金木犀を、もう全て払おうとは思わない。

今はただ、ふくがそばにいて、幸せならそれでいいと、自然にそう思った。





こんな可愛い子瓢箪には勿体ないです!(どーん)
自分じゃ書けないぶんにやにやが止まりませんモジ(((*´ε` *)(* ´З`*)))モジ
ありがとうございます!

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