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花の擬人化を扱った創作企画用ブログ
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霧雨璃亜様より小説(白い花シリーズ)
オオイヌノフグリ、ひまわり、薔薇、朝顔、瓢箪



[白い花、子供の心]
「…………朝顔さん…藤さん……」
昨日、藤さんが昼顔さんともめて、朝顔さんの言葉に泣きそうな顔をして出て行ってしまってから、ずっと、考えている。
どうして、こうなってしまったのか。どうして、今私たちはバラバラになってしまっているのか。
朝顔さんは離れに入って出てこない。藤さんはあれから行方不明で、私も、料亭の奥の休憩室で一晩、誰にも言わずに泊まったりして。
たいよう君や、朝顔さんのご飯を作ってあげなきゃって思うのに、家に帰るのが苦しくて。
また、あんなふうに、家族がばらばらになるところなんか、見たくなくて。
全部、昼顔さんのせいなんだって、思いたくなってしまう。
「……違うのに…昼顔さんのせいじゃなくて、私たちの問題で………」
私たちが、悪いのに……。
ぽつり、ぽつりとテーブルの上に雫が落ちる。
「…っ…………」
どうしたらいいかわからなくなって、ただただつらくて、苦しくて。
それは、自分を哀れんでるだけなのかもしれないとかも思ってしまって、自分が嫌になる。
ぴぃ
うーさんが、私の近くまで来て首を傾げる。
小さくて、まっすぐに私を見ているうーさんを拾ったのは、瓢箪さんと一緒のときだった。
それを思い出したら、なんでか、一気に涙が溢れて、止まらなくなる。
「……瓢箪さん…っ………瓢箪さんっ……!」
小さく瓢箪さんを呼びながら、しゃくりあげて泣いていると、ぽん、と頭に軽い感触。
「呼んだか?」
顔を上げると、優しく微笑んだ、けれど瞳はとても心配そうな瓢箪さんがいて。
思わず縋りついて、声をあげて泣いていた。
「ごめっなさい…っ……ごめん、なさ…っ」
今だけだから。こんな風に泣くのは今だけにするから。
今はただ、こうやって甘えさせて。

わしの腕の中で泣きつかれて眠ってしまったふくを、静かに撫でる。
「これで、良かったのか?」
「うん。ごめん。助かった」
静かに料亭に入ってきたのはたいよう。
ふくの様子を知らせてくれ、そばにいてくれと、家にまで来て頼んできた。
「ふーはさ、ずっと1人で、抱え込んじゃうとこがあるんだ」
ふくの頭を撫で続けながらも、話し始めたたいようを見る。
「自分が悪くないことも、1人で抱え込んで、悩んで、落ち込んで……それを僕に見せることなく解決したり、胸の奥に隠したりしてるんだと思う。でも、さ………今回のことは、本当に、ふーは悪くないんだ。ただ、朝顔に藤の変調を知らせに行って、藤が出てった後すぐに朝顔が昼顔になるべく顔を見せるなって言って、それで混乱してるところに、朝顔が離れに引きこもって……僕は、その場にいなくて。状況で察しただけだけどさ、それでも、わかってることは、絶対にふーが悪いんじゃ無いってこと。ふーはむしろ、状況をどうにかしようとして、できなかったってだけなんだ。藤がやったことはたんぽぽのにーちゃんに聞いた。朝顔が引きこもってなにやってるのかも見てきた。………藤は、藤が関係ないことで怒って、朝顔は朝顔で、過去ばっかり見てるんだ。ふーは、本当に、なにも悪くないんだ」
目を伏せて、落ち込んだようにたいようは話す。
何もできなかったと自分を責めているようにも見えるその姿に、少しだけため息をつく。
「おぬしは、その場にいなかった分、やれることを探して力を尽くしたのじゃ。それは、評価するべきことじゃと思うぞ?それに、まだこれから動くつもりなのじゃろ。ふくはわしが支える。好きに動けばいい」
「……うん、たのむ…」
それだけ言って外へ駆けて行ったたいようは、まだまだ子供で。
でも子供だからこそ、やれることがあるのだろう。
「…ふく、おぬしは、独りじゃないのじゃぞ。ちゃんと、たいようも、わしもいる。藤や朝顔も、なにがあっても、おぬしの家族には変わりないんじゃ」

走りながら、藤が良そうなところを考える。
藤は結構交友関係狭くて、一番仲良いのは……
「薔薇か。屋敷だったよな…確か……」
薔薇の屋敷を探してる途中、黄緑色と深緑色の倒れてる何かを見た気がしたけど、気にせずに走る。
まあ、多分大丈夫だろうし。
僕達の仲間だったらそう死ぬことは無いだろうしな。
そうして、薔薇の家について、インターフォンを押す。
しばらくして出てきた薔薇は、僕の顔を見ると少し苦笑した。
「いるよ。しばらくは引きこもってそうだけれどね」
「そっか……よかった。ごめんな、迷惑だろうけど、もうちょっと様子見ててほしいんだ。藤、朝顔のことすごい好きだから。今回は、すごくきついことなんだと思う。でも、しばらくしたら、発破かけてくれると助かる」
「……まるでたいようの方が年上のような言い様だね」
「んー、なんか、藤ってほっとけないだろ?だからさ」
「まあ、気が向いたらやってあげるよ。歌の練習はどうする?」
「藤がここ出たらで良いよ。寒くなってきたら、ふーの料亭借りる許可も出てるしさ」
「ああ、わかった。帰るなら気をつけて」
「うん、ありがと。よろしくな」
そう言って踵を返して走り出す。
次は、朝顔の番だ。

「朝顔」
「おやたいよう。久々だねぇ」
へらっと笑った朝顔は、ふーが傷ついたことなんかまるで知らぬげで、その態度に、むかつく。
ましてや机に酒瓶とお猪口なんて置いてあったら、怒りが沸騰することなんて当然で。
「なんっで……なんで、こんなとこでこもってんだよ!!」
思わず、朝顔の着物の襟をつかんで叫んでいた。
「なんで朝顔はずっと昔しか見て無いんだよ!!なんで今ここにいる僕達を見てないんだよ!!ふーがどれだけ傷ついたかも知らないで、僕とか藤がどれだけ心配してるのも知らないで!!!!なんで、ずっと昔に亡くしたものばっかり、追ってるんだよ!!朝顔は、僕達家族の家長なんだから、もっと僕らとちゃんと向き合うべきじゃないのか!?」
叫びながら流れる涙を乱暴に拭って、朝顔を睨んで。
俯いてる朝顔に、いや、俯く朝顔の頬に流れる涙に、何もいえなくなる。
「………昔、亡くしたってことが、ずっと向き合えてなかった…それを、突きつけられた気がしたんだよ。もう亡くしたんだって思うのが怖くて、しんどくて……自分が逃げてることにすら目を向けずに、ずっと逃げて。ここ数日でね、逃げてなんになるって似合わないなりに自分を責めてみたけども。いやぁ、かなり落ち込んだねぇ」
徐々にいつもの口調に戻っていく朝顔は、けれどまだ涙を流していて。
「悪かった。ふーを傷つけたこととか、藤を探さなかったこととか、今まで、まともに向き合おうとしなかったことも。本当にすまないね」
頑張ってくれて、助かったよ
小さな声で告げられた言葉を残し、朝顔は僕のほうに倒れてくる。
「え、うわ、ちょっ!?」
慌てて支えて様子を見ると、目の下にはくっきりとした隈。
「………寝てないのかよ…………びっくりした…」
深いため息をついてとりあえず床に転がしてから布団を出してそこに朝顔を入れる。
一仕事終えたら、ぐー、とお腹の虫が鳴いた。

………ふー、なんか作ってくれるかなぁ…






しっかりしている2人も好きだけど、頼りないところも可愛いと思う(*´∀`*)
ふーちゃんの力になれたら嬉しい!

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